
3月26日(水)、本年度最後の「お茶を楽しむ会」には計16名が出席、まずは恒例となったKさんのお香で会が始まりました。今回は「伽羅」に加えて珍しい「羅(ら)国(こく)」というお香を聞き、ほのかな香りにうっとりとなったところで、お茶のお手前が始まりました。
ただし、今回は裏千家の「香付花月」という遊びをすることに・・・。これは、江戸千家ではやり方が異なっており、表千家にはない遊びとのこと。本来はその日に聞くお香にちなんだ俳句(あるいは短歌)を、花月でお手前をやっている間にひねり出し、あとで披露するものとか。本来のやり方はともかく、今回は女子大流で自由にやってみようということになり、先生が3服お茶をたててくださっている間に、春にちなんだ俳句または短歌を作ることになりました。
全員突然のことにびっくりはしたものの、そこはさすがに女子大の皆さん、できない場合はパスもありだったにもかかわらず、全員が俳句か短歌をそれぞれ提出したという、まさに女子大卒業生の皆さんのたしなみの深さ、その臨機応変さが実感されたひとときとなりました。「さすが」です。
ご参考までに以下にそのときに詠まれた俳句8句、短歌7首を記します。
(俳句)
玉椿ほころぶ頃や一人立ち(4票)
春らんまん桜こぶしが咲ききそう
香入るる手元に春の日ざしかな
国宝のおうな小さく春うらら
福袋上を女の手が泳ぐ
一碗の抹茶に午後の光満つ(3月26日花開くときに)
逢う電話かけて眩き花の巷
春の子等光の中に鳩を追う
(短歌)
春の日に心なごめる一服は 型にはまらぬ女子大流(3票)
にぎやかに少女のごとく話(かた)らいて 桜日よりのうららかな佳き日
春の日に梅か桜かしれねども そよ風にゆれ心なごます
さくら散りて逝きたる母に合掌す 健やかな身我に与へり
長屋門鶴は舞うらん保田の海 いざ鎌倉の遠鳴りをきく(保田の友人に招かれて)
柳瀬川土手に咲きふる桜花 見上げる顔に笑顔あふるる
見渡せば柳桜をこきまぜて 都ぞ春のにしきなりけり(素性法師、古今集)
全員で好きな句あるいは歌を選んだところ、
「玉椿ほころぶ頃や一人立ち」に一番多く票が入り、
次が「春の日に心なごめる一服は 型にはまらぬ女子大流」となりました。
一応賞品も授与され、雅な遊びも幕となりました。
全員、お茶を2服ずつ頂き、春らしい彩りの主菓子と干菓子を楽しみ、思いもかけず作句あるいは作歌の時間を楽しむことができました。
なお、念のためですが、毎回短歌や俳句を作るというわけでは決してありませんので、どうぞご心配なく、どなたでもお気軽に参加くださいますよう、お待ちしています。
次回は7月に開催の予定です。(KK)