
今年最後の「お茶を楽しむ会」は19日、東京世田谷在住の工芸作家、村瀬治兵衛邸にて毎月開催されているお茶会の一席に参加させて頂きました。
今回の課外茶会は予てより松田先生が ”たまには外でお茶会を”と企画して下さり、12名で出席し、工房兼ご自宅である昔ながらの日本家屋の2階茶席でご亭主の3代目治兵衛氏があたたかくお迎えくださり、お茶会が始まりました。
福岡太宰府からお取り寄せの切り口美しい棒菓子を頂き次々にお点前を頂戴しながら、ぞれぞれに個性ある重厚なお茶碗や茶道具の拝見はその一品一品に見応えがあり、さらにお軸の書、大丸壷に活けられた花、塗り炉ぶちなど等、「これぞ茶の湯の空間」に浸りきったひと時でした。
その後階下にて作品の数々に盛り付けられた、牡蠣雑炊を主としたお膳を頂き、さり気なく並べられた茶道具、香道具、正月飾り、漆器椀など伝統工芸からモダンアートな作品を、同窓生であられる奥様の説明を伺いながらゆっくりと拝見させていただきました。
一つの木の塊からハツル、削る、を繰り返しながら、繊細に仕上げていく工程の技を伺い知り、その価値をまた納得した貴重なお話でした。
村瀬治兵衛氏はお年を召した、芸術家肌の方かと勝手に想像してしまっておりましたが、実に50代前半の大変に気さくでお茶席で緊張ぎみの私共の気持ちをほっと和ませてくださる優しいお人柄で、代々の伝統を継承しながらも現代の生活にマッチする感性が作品の数々に感じられました。
今回のお茶会に参加された皆様が、「至福のひととき」と満足感に浸り、今年の終わりにまた一つ良き思い出を重ねることができましたことを、感謝しております。
(また余談ながら、この報告を書くにあたりホームページを見ましたところ、年代は重なっていませんが、高校が同窓であることがわかり何か親近感を感じております。)
(E.S)